【不動産解説ブログ】賃貸契約の更新と改定のポイント オーナーと入居者が知っておくべき実務知識
賃貸経営を行ううえで、入居者の募集や空室対策と並んで重要なのが「賃貸契約の更新」です。契約更新のタイミングは、単に契約期間を延長するだけでなく、家賃の見直しや契約条件の変更など、物件の収益性や入居者満足度に大きく影響する重要な機会となります。
しかし実際には、「更新料は必ず必要なのか」「家賃は自由に変更できるのか」「契約内容を変更する場合の注意点は何か」など、オーナー・入居者双方が疑問を抱く場面も少なくありません。
本記事では、賃貸契約の更新の基本から、契約改定のポイント、トラブルを防ぐための実務上の注意点まで詳しく解説します。賃貸経営を行うオーナーや、これから不動産投資を始める方にとっても参考になる内容です。

賃貸契約の更新とは
賃貸契約の更新とは、契約期間満了後も同じ入居者が引き続き物件を利用する場合に、契約を継続する手続きのことを指します。
一般的な住宅賃貸では、契約期間は「2年間」と設定されるケースが多く、期間満了時に以下のいずれかの形で契約が継続されます。
更新の主なパターン
①合意更新
貸主と借主双方が合意し、新しい契約期間を設定して更新する方法です。多くの賃貸契約はこの形で更新されます。
②法定更新
契約期間満了後も特に手続きを行わず、借主がそのまま住み続け、貸主も異議を述べない場合に成立します。この場合、契約は期間の定めのない契約として継続されます。
③再契約型更新
一度契約を終了し、新たな契約を締結する方式です。近年は管理会社の契約形態として採用されることもあります。
賃貸経営においては、更新のタイミングをどのように管理するかが、収益管理やトラブル防止の観点から非常に重要です。
契約更新時に確認すべき主なポイント
契約更新時には、単に契約期間を延長するだけでなく、以下の点を確認することが重要です。
1. 家賃の見直し
更新時は家賃を見直す重要なタイミングです。特に以下のような場合は、家賃改定を検討する必要があります。
・周辺相場が上昇している
・築年数が経過している
・設備が古くなっている
・近隣に競合物件が増えた
ただし、家賃の変更は貸主が一方的に決めることはできず、入居者との合意が必要です。
家賃改定を行う際には、以下のような資料を用意すると説得力が高まります。
・近隣物件の賃料相場
・管理費や固定資産税の上昇
・修繕費の増加
これらを根拠として提示することで、入居者の理解を得やすくなります。
2. 更新料の設定
更新料とは、契約更新の際に借主が貸主へ支払う費用です。
地域によって慣習が大きく異なり、例えば以下のような傾向があります。
更新料が一般的な地域
・関東圏
・都市部
・京都
更新料が少ない地域
・関西(京都除く)
・地方都市
更新料の設定は契約書に明記されている必要があります。契約書に記載がない場合、後から請求することは難しいため注意が必要です。
また、更新料を設定することでオーナー側の収益向上につながる一方、入居者の退去を促す要因になる可能性もあります。そのため、地域の慣習や市場状況を踏まえたバランスが重要です。
3. 契約条件の変更
更新時には契約内容を見直すことも可能です。
例えば次のような変更が考えられます。
・ペット飼育条件
・駐車場利用条件
・原状回復の範囲
・禁止事項の追加
ただし、契約条件の変更も原則として入居者の同意が必要です。特に借主にとって不利な条件変更は、合意が得られないケースもあります。そのため、変更理由を明確にし、合理的な内容にすることが重要です。
契約更新の流れ
賃貸契約の更新は、一般的に次のような流れで行われます。
①更新案内の送付
契約満了の1〜2か月前に、管理会社または貸主から更新案内を送付します。
②条件確認
入居者が更新条件(家賃・更新料など)を確認します。
③契約書の締結
更新契約書または覚書を締結します。
④更新料の支払い
必要に応じて更新料を支払います。
⑤契約更新完了
新たな契約期間がスタートします。
この流れをスムーズに進めるためには、管理会社との連携が重要です。
家賃改定を成功させるためのポイント
家賃改定は、賃貸経営において難しいテーマの一つです。入居者との関係を維持しながら適正な賃料に調整する必要があります。
成功させるためのポイントを紹介します。
相場データを用意する
最も重要なのは「客観的なデータ」です。
・近隣物件の賃料
・同じ築年数の物件
・同じ広さの物件
こうした情報を示すことで、入居者の理解を得やすくなります。
大幅な値上げは避ける
一度に大きく家賃を上げると、退去につながる可能性が高くなります。
一般的には
月額1,000〜3,000円程度
など、段階的な改定が現実的です。
設備改善とセットで提案する
家賃値上げを提案する場合は、設備改善を同時に行うと納得感が高まります。
例えば
・インターネット無料
・宅配ボックス設置
・エアコン交換
・防犯カメラ設置
などの付加価値を提供する方法があります。
更新トラブルを防ぐための注意点
契約更新では、いくつかのトラブルが発生することがあります。
主な注意点を紹介します。
書面を必ず残す
更新内容は必ず書面で残すことが重要です。
口頭のみの合意は後々のトラブルの原因になります。
特に以下の点は必ず書面に記載します。
・更新日
・家賃
・更新料
・契約期間
更新案内のタイミング
更新案内が遅れると、法定更新となる場合があります。
その結果、
・家賃改定ができない
・条件変更ができない
といった問題が発生する可能性があります。
そのため、契約満了の2か月前には通知するのが理想です。
借主とのコミュニケーション
入居者との関係性も重要です。
更新時に突然条件変更を提示すると、トラブルになりやすくなります。
日頃から
・設備不具合の対応
・問い合わせ対応
・修繕対応
を丁寧に行うことで、更新交渉もスムーズになります。
賃貸経営における更新管理の重要性
賃貸経営では「空室対策」に注目が集まりがちですが、既存入居者の更新管理も非常に重要です。
更新率が高い物件には次のようなメリットがあります。
・空室リスクが減る
・広告費が削減できる
・安定した収益が得られる
一方で更新率が低い物件は、入退去が頻繁に発生し、以下のようなコストが増加します。
・原状回復費用
・募集広告費
・空室期間の損失
そのため、更新時の対応は物件の収益性に大きく影響します。
まとめ
賃貸契約の更新は、単なる手続きではなく、賃貸経営の収益性を左右する重要な機会です。
更新時には次のポイントを意識することが重要です。
1 家賃の適正化
市場相場を踏まえて賃料を見直す
2 契約条件の確認
トラブル防止のため契約内容を明確化する
3 入居者との関係維持
円滑なコミュニケーションを心がける
4 書面による管理
更新契約書を必ず作成する
適切な更新管理を行うことで、物件の収益性と入居者満足度を両立させることができます。賃貸経営を成功させるためにも、契約更新の仕組みとポイントをしっかり理解しておきましょう。







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